遠隔予防医療相談システムとは、東京日本橋にある当クリニックと奥多摩町(東京都)、遠野市(岩手県)の集会所に設置したテレビ電話をインターネットを通してつなぎ、遠く離れたところにいる人を診察するという取り組みです。これは慶應義塾大学がNEC、NTTの協力を得て、2008年10月から始めた予防医療の一つの試みです。
現在、テレビ電話での診察を通して、住民の血液データの検査値が著明に改善するという効果が得られています。歩く習慣がつき、腰痛や膝関節痛が軽快した人も多くおられます。また、集会場に集まった住民同士につながりができ、自分自身で健康を作っていくという考え方が生まれており、「いいコミュニティ」を作ることにも一役かっているのです。
現在は、実証実験の段階ですが、今後この遠隔医療システムが保険診療の対象になれば、無医村地区にいる住民が都心にいる専門医の診察を受けられることが可能になります。さらに、育児のために休職中の女性医師や高齢の医師にもその活躍の場が広がると考えています。